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外国ブランドが中国のMコマース革命に加わるべき理由

新たな商機を探す外国ブランドにとって、オンラインショッピングを全面的に受け入れてきた中国のEコマース市場は、一番の参入先になっています。

中国のEコマース市場における近年の主だった変化を取り上げ、外国ブランドがそれらに適応し、成功するための方法をお伝えしたいと思います。

 

中国Eコマース市場の概要

Eコマースに関する中国の強さは、ある統計結果に如実に表れています。中国におけるEコマースの予想売上高は2024年までにアメリカとヨーロッパのいずれをも上回っており、アメリカが53%、ヨーロッパが55%成長するという予想に比べ、中国は80%成長すると見込まれています。

これは予想に過ぎないかもしれませんが、現状のデータも中国のデジタル購買力の高さを裏付けています。2019年、中国ではデジタル経済が国家のGDPのうち3分の1以上を占め、7億1,000万人以上がオンラインで買い物をしました。これは、世界最大のデジタル購買人口となります。

Where E-Commerce Is Growing Fastest, Nativex

出典:Statista

また、中国のデジタル企業は、ショッピング体験を可能な限り個人的かつシームレスにすることに心血を注いでおり、商品の売り上げを激増させるキーオピニオンリーダー(KOL)主導のソーシャルメディア体験の創出にも多額の投資を行っています。

その努力が報われ、中国のテック分野を牽引する企業の数々は急速に成長し、現在活況を呈しているソーシャルコマースシーンで最前線に立ち続けています。
アリババの直近の決算(2020年6月末までの第一四半期)も、主にEコマースサービスに牽引されて予想を上回りました。また、中国のショートビデオ配信プラットフォームも、その勢力に加わってMコマースの繁栄を後押ししており、Douyin(抖音)は中国の大手小売業者であるSuning.comとの提携を発表し、Kuaishou(快手)はJD.comとソーシャルコマースパートナーとして収益性の高い契約を結びました。

中国では、ソーシャル主導のモバイル体験が2019年の国内Eコマース小売支出を27.3%増の1兆9千350億ドルに押し上げ、小売の総売上高のうち36.6%を占めています。

 

中国が世界のMコマースを牽引

中国の驚異的なEコマースの成長は、概してモバイルによって推進されてきました。

これには多くの理由があります。そのうちのひとつは、中国のスマホユーザー数は世界で最も多く(約15億人)、それによってデジタル購入の浸透率も非常に高い(約80%)ということです。

また、中国は真の意味でモバイルファーストの国であり、2015年に歴史上初めてスマホによる購入量がパソコンを上回りました。

それからというもの、中国の消費者たちはMコマースを完全に受け入れており、今年はMコマースが国内Eコマース支出全体の約4分の3を占めると予測されています。これも、競合する他の地域をはるかに上回る割合です。

Mobile Commerce in China Is Growing Far Faster Than in the US, Nativex

出典:Consultancy.asia

今年前半の中国全土での感染拡大とそれに伴うロックダウンにより、新旧の購買層がMコマースに時間を費やし、その結果、多くの人が四六時中Mコマースをするようになりました。

KOL文化の台頭により、中国の若い消費者たちはMコマースを受容するようになり、大きなソーシャル収益を生み出す原動力となっています。KOLマーケティング業界は2022年までに150億ドルに達すると見込まれています。企業の89%は、KOLマーケティングが大きなROIをもたらすと述べています。また、中国におけるZ世代の消費者のうち、43%は購入判断の参考になる存在としてKOLをフォローしています。

KOLマーケティングのメリットと、インフルエンサーと協力してブランドのリーチを向上させる方法については、こちらのeBookをご確認ください。

中国の「リップスティック・キング」であるLi Jiaqiのケースは、KOLの力とソーシャルコマースの仕組みをわかりやすく示しています。Li Jiaqiが日本の有名なスキンケアブランドの宣伝に協力した際、ライブストリームで約1,700万ビューを集めることに成功し、ブランドが宣伝を行いたかった層の大部分にリーチすることができました。

中国の消費者は、実店舗での買い物やオンラインショッピング体験を完全に省略するようになっています。その代わりに、ファーストフードを注文したり、食料雑貨類を購入したりする必要があるときは、いつもスマートフォンを手にしています。

中国のEコマース企業Meituan(美団)はその良い事例となっています。大手IT企業である同社は、中国で約6億人のユーザーをもつモバイル食品配達アプリを提供しており、中国で感染が拡大しているあいだ、Meituanはオンライン食品の需要が400%も増加したことを報告しました。

 

外国ブランドは、どうすれば中国のMコマース革命に加わることができるか

外国ブランドが中国に参入するひとつの方法は、市場へのアクセスを提供してくれる大手企業と提携することです。

多くの外国ブランドは、中国の大手Mコマース企業と提携して、この地域の新たなモバイル市場の最前線に参入しています。特にインパクトをもたらすチャンスを狙っている欧米のファッションブランドにとって、この戦略における有力な提携先のひとつとなるのが、アリババのTmall(天猫)です。

まず、アリババが人気である理由について説明します。それは、アリババがMコマースの最大手であり、中国のEコマース市場の約62%を占めているからです。

Tmall, Nativex

 

アリババのサクセスストーリーの一端を担うTmallは、消費者向けにパーソナライズしたストアを提供しているB2Cプラットフォーム/アプリです。ブランドのストーリーを伝える機会や、魅力的なライブストリーミングプロモーションなど、コンテンツ主導のモバイルショッピング体験をユーザーに提供しています。

バーバリーとマイケルコースは、Tmallと提携してクリエイティブな方法で新しい顧客にアプローチした高級ファッションブランドの代表例といえます。
Tmallを選んだ理由は簡単です。このプラットフォームにおける高級品の売り上げは、2018年6月までの12ヶ月間で46%増加し、同期間で「ラグジュアリー」買物客の数が36%増加したからです。高級ブランドは、市場がどこにあるかを確認し、自分たちを最前線の中心に置いてくれる会社と提携しています。

引き続きバーバリーを例にあげると、パンデミックの期間中にKOLのYvonne Chingと提携し、Yvonne Chingはバーバリー上海店での体験をTmallでライブストリーミングしました。彼女が紹介した商品のほとんどは1時間以内に売り切れ、そのときのストリーミングは140万ビューに達しました。

 

中国のMコマース市場に参入するメリットと障壁

Tmallとバーバリーのケースを見ると、プロセスはとても簡単なように思えます。狙っている市場へのアクセスのあるデジタルサプライヤーを見つけ、そこと提携し、コンテンツを制作して、成果を獲得するだけのように見えます。

しかし、中国市場への参入は、そのように簡単なものでは決してありません。
中国市場への参入は、とても困難なプロセスを経なければならない可能性があり、あらゆる形態や規模の企業が、自国でこれまで経験したことがないような厳格な規則や規制を遵守する必要があります。

中国ではコンプライアンスが重要となります。それは販売する物だけでなく、販売する方法においても同様です。また、コンプライアンスはブランド自体だけでなく、そのブランドがデジタルで宣伝する方法や、広告の出稿を選択したチャネルにも求められます。

たとえば、Eメールマーケティングをはじめとした従来の欧米式Eコマース戦略は、中国ではさほど効果がありません。調査と研究を行い、ターゲット層が使用する最適なモバイルチャネルを見つけて、適応する必要があります。

前述のLi Jiaqiのケースはその良い例であり、適切に計画すれば目に見えて明らかに大きなリターンを得ることができます。各地域のモバイル消費・ソーシャル消費の習慣は、ターゲット市場にリーチする最良の方法となる可能性があります。その地域のターゲット層がWeChatやDouyin、Redなどのプラットフォームをどのように使用しているかが鍵となります。

Alibaba, NATIVEX

どれが自社ブランドにとって最適か。また、アリババと同規模の現地企業と提携するうえで、言語や文化の壁をどのように乗り越えるか。

中国は、他の市場と何ら変わりはありません。顧客を楽しませ、適切に関与する必要があり、ブランドは成功するうえで文化的トレンドに大きな注意を払う必要があります。

そして、他のモバイル市場と同様に、中国の消費者の嗜好はたえず変化しています。たとえば最近では「ハイタオ」が人気になりました。これは外国のプラットフォームから購入し、国境を越えて買い物をする習慣のことで、より出費がかさみ、購入品が届くまでに時間がかかるとしても多くの人が利用しました。

ハイタオは「ダイゴウ」を連れてきました。これは、外国で高級品をまとめ買いし、中国において高値で転売することにより利益を得る買物客を指す言葉です。
しかし、コロナウイルスは、国際配送の遅れと旅行制限の影響で、多くのダイゴウたちの活動を停止させました。また、現在では高級ブランドがTmallなどのプラットフォームを通じて営業しているため、買物客はブランドと直接取引し、高品質な商品を手にしているという信頼感が高まっています。

 

中国でブランドが成功するためのNativexによるサポート

参入企業がターゲット業界・市場において有する経験の大小にかかわらず、外国企業による中国市場参入をサポートした経験を持つ信頼できる企業の存在は、大いに役立ちます。なぜなら、統計が示しているように、中国で成功するメリットはとてつもなく大きいからです。

中国のMコマース戦略では、多くの場合、メンテナンスとユーザー獲得に関するコストが安く済みます。あらゆるカテゴリの外国ブランドは、中国市場で大きな可能性を秘めています。それらのブランドは、中国における商業に適した優れた物流システムを利用することができます。

Nativexは世界中のブランドと提携して、中国の文化的ニュアンスや、ターゲット市場における消費者の購入方法に関する調査、言語の壁の克服、ターゲット層が利用するモバイルチャネルでのクリエイティブキャンペーンの企画などをサポートしています。

また、Nativexは各メディアの認定広告代理店であり、世界各地で巨大なリーチをもつ大手メディア企業の数々と提携し、グローバルなメディアバイイングネットワークを形成しています。DouyinやToutiao、WeChat、QQなど多くのソーシャルメディアやEコマースプラットフォームとの強力な関係を活用し、外国のパートナーが中国へ参入する際にサポートいたします。

そして、Nativexの独自ツールであるXMPは、世界中のデジタルメディアへの広告配信を可能にするとともに、TopWorksクリエイティブスタジオで優れたクリエイティブを制作することができます。
Nativexがもつ情報や独自ツール、中国市場におけるブランド確立に関する長年の経験、ショッピングと文化のトレンドに関する先見性、中国におけるEコマースの規則や規制に関する幅広い知識、中国テック企業との関係性―これらを組み合わせることにより、ブランドが中国のモバイル市場へ本格的に参入するためのサポートを提供します。

現在、中国に足場を築くべく、魅力的なモバイルショッピングソリューションを構築しようと企画しているブランドは、大きなリターンを得られる可能性があります。その方法をNativexチームからお伝えさせてください。中国のモバイル市場に参入して大きなインパクトをもたらしたいと考えていらっしゃる方は、ぜひNativexにご連絡ください。

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