ショート動画が世界を席巻する過程で変わったものとして、コンテンツ消費の方法以外にオンライン購入の習慣があります。動画は消費者にはより直観的でユニークな体験を、ショップにはより大きなインプレッション空間をもたらしました。ライブはショップと消費者の交流のための空間をつくりだし、リアルさと信頼性の大幅な向上によって、記事・画像・動画に制限されてきた従来型ECの「第四の壁」を越えています。
TikTokショップ(TikTok EC)は2022年初めにローンチされ、現在はイギリスと東南アジア市場で展開されています。一番の中心である東南アジア市場において、TikTokショップは2022年全体を通じて越境EC売上が月平均成長率90%を維持するという驚異的な勢いを示しています。
TikTokショップで急速な成長を実現するにはどうすればいいのでしょうか?グローバルマーケティングのエキスパート、Nativexが「市場概観」「成長機会」「展開配置」といった角度から、越境ECであるTikTokショップの最新の成長機会について詳しく解説します。
Screenshot from TikTok, April 2023
イギリス・東南アジア市場で伸び目立つTikTokショップ
TikTokショップは2022年、越境EC取引総額が急速に拡大し、越境にかかるGMVは大きく伸びています。昨年のクリスマスシーズンの越境GMVは前年同期比270%近い増加を示しています。
中でも、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポールなどの東南アジア諸国での伸びは顕著です。業界メディア「The Information」によれば、TikTokの2022年の東南アジアECのGMVは44億ドルと、前年の3倍に達しました。イギリス市場でも、2022年5月のローンチ以降、TikTokショップのサマーセール中のGMV伸びは65%となっています。
Source: TikTokショップ越境EC
TikTokショップの各市場シェアを見ると、次のことが分かります。インドネシアをはじめとする東南アジア地域は重点市場となっていること。市場規模が大きく、消費力が高く、物流システムの整ったイギリスは機会市場となっていること。終わったばかりのラマダンセール期間中のインドネシアのTikTokショップGMVは前年同期比126%増、取引数は同130%増となりました。東南アジアのサービスプロバイダ「NinjaXpress」が2023年1月に発表した調査結果によれば、インドネシアで最も支持されているライブコマースプラットフォームはTikTok(27.5%)であり、これにShopee(26.5%)とLazada(20.1%)が次いでいます。
これらのデータの背景には、(1)東南アジアの消費者は価格に敏感であり、インフルエンサーやKOLに誘導されやすい、(2)イギリスの消費者は購入前に複数のプラットフォームで価格を比較する習慣があるものの、キャンペーンとオンライン広告が消費意思決定に大きな影響を与える――という両地域の消費者の習慣の違いがあります。
東南アジアとイギリスのオンライン消費習慣の違い
Source: TMO Group, Shopee, Worldpay, Ninja Van Group, DPDGroup
商品カテゴリー別に見ると、TikTokショップの2023年Q1データによれば、人気の高い「コスメ」と「デジタル家電」の広告消化金額が上位を占めており、他の商品カテゴリーも一定程度の増加を示しています。各カテゴリーの商品がまんべんなく受け入れられる一方、消費者の習慣・好みの違いから、成長将来性あるバーティカルプロダクトにも人気が集まっています。
Source: TikTokショップ越境EC
TikTokショップに参入し、トラフィックの新たな競争市場で追い上げを図るには
TikTokショップがローンチされてから2年近くの間に、多くの中国ブランドが海外市場に販路を広げつつあります。NativexのECチームは、コスメやデジタル家電などのブランドのTikTokショップを支援する中で、TikTokショップの成長発展サイクルには「ショップ開設」「コールドスタート」「取引数拡大」の段階があることに気づきました。
最初のステップとなるTikTokショップの開設を済ませると、TikTokショップスターター期間に移行します。TikTokではショップの取引の質を高めるため、TikTokに新たに出店する越境ショップ(自主出店ショップ・招待出店ショップ)に対しては一定期間、1日の取引数を制限する「スターター制限」を設定しています。この制限は一定の基準をクリアすれば解除されます。スターター期間でショップがまず目指すべきは、成約率を向上することです。
スターター期間を過ぎると、取引数拡大段階へと移行します。この段階では、取引数を増やし、ROIを高めることが目的となります。安定的な拡大基調に入ったら、大規模プロモーションと運営の精度向上に取り組みましょう。ここでカギとなるのが、Creator Marketplaceのトラフィック拡大と商品ページの管理です。
TikTokショップ成功のヒント
- コールドスタート段階では、取引制限を取り払い、ROIを向上することがショップの主な目標となります。この段階ではインフィード広告機能(VSA)を活用し、安定的なトラフィックを獲得することをおすすめします。また、インフルエンサーマーケティングの導入、インフルエンサー素材の制作、Spark Adsなどの広告商品の利用により広告を配信し、トラフィックを拡大させていきましょう。
- 取引数拡大期間では、上記の基本的な施策に加えてリーチ&フリークエンシー(RnF)によるブランド広告の追加と運営を活用するとともに、オーディエンスの的確なターゲティングを行うことをおすすめします。TikTokショップの開設、コールドスタートのスムーズな進行、迅速な事業拡大に関するサポートを必要とされる場合、「オリジナル記事を読む」をクリックしてNativexにお問い合わせください。
これまでの経験から、NativexはTikTokショップの成功の段階には「商品選定」「テスト配信」「コンテンツプロモーション」「トラフィック拡大」「運営の精度向上」があると考えています。
- 商品選定:合理的な商品選定ロジックにより、最も適切で成功率の高そうな商品をプロモーション対象とする
- テスト配信:配信テストによって中心にすえる商品を見極め、より多くのトラフィックを獲得する
- コンテンツプロモーション:商品のセールスポイントとプラットフォームのエコシステムを踏まえた豊富なクリエイティブコンテンツを制作し、広告配信によってシーディングしていく
- トラフィック拡大:シーディングを行いつつ知名度を高め、複数の戦略によって一気に購入コンバージョンへと誘導する
- 運営の精度向上:ロングテール戦略においてマーケティングノードとトラフィック変動を巧妙に活用し、ブランドポテンシャルを最大化し、ロングテールバリューを獲得する
Nativexが着想したTikTokショップ成功の戦略
TikTokショップ成功事例
Nativexは中国の大手越境ECプラットフォーム敦煌網TikTokショップのイギリス・アメリカ・フランス・イタリア・ドイツ向けプロモーションをサポートし、PV、顧客数、取引商品数、平均販売量、GMV(流通取引総額)の大幅な改善を実現、自社サイトに次ぐ第二の売上の柱へと成長させています。同社TikTokショップのGMVは7倍に拡大しています。
ライブ(LSA)・ショッピングカート(VSA)・ネイティブ広告(Spark ads)、インフルエンサーマーケティングなど複数の広告形態の活用によって、Nativexは新規顧客開拓、購入誘導、ROI向上を実現しています。TikTokショップに興味を持たれた方は、お気軽に当社にお問い合わせください。