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Mary Meeker氏のインターネットトレンドレポートに見る5つのインサイト

Meeker氏に馴染みのない方のために説明しますと、彼女は元ウォールストリートのアナリストであり、現在は米大手ベンチャーキャピタルKleiner Perkins Caufield & Byersのパートナーです。カリフォルニアで毎年開催されるコード・コンファレンスでMeeker氏が発表するトレンドレポートは最も注目を集めるテック系イベントの1つであり、豊富なインサイトとデータで、私たちを取り巻くテクノロジーが現状どのように利用されているかを紐解いてくれます。

Mary Meeker氏のプレゼンテーションは常に示唆に富んでおり、本年も例外ではありませんでした。ここでは当社にとって最も興味深かった5つのトピックをご紹介します。しかしながら、皆様は異なる考えを持たれるかもしれません。全てのプレゼンテーションはこちらからご覧いただけます。

全世界の人口の約半数がインターネットに接続

2018年は、全世界の人口の約半数がインターネットに接続可能となり、モバイルでのインターネット利用に多大な時間が費やされます。

2016年のプレゼンテーションにおいてMeeker氏は、推定で全世界の約42パーセント(おおよそ30億人)がインターネットに接続可能になると述べました。その2年後にあたる2018年においては、インターネットは全世界の人口の約50パーセント(およそ36億人)にまで普及するとの見通しが立てられています。

人々がオンラインで過ごす時間は年々増す一方です。米国の成人のデジタルメディアの利用時間は、2016年で5.6時間だったのに対し、2017年は5.9時間に増加しています。また、その半分以上にあたる3.3時間がモバイルデバイスの利用に費やされています。そうしたことから、2018年は私たちの生活時間が「モバイルファースト」になると見込まれています。

スマートフォンの出荷が頭打ちに

2017年はスマートフォンの出荷台数の伸びが前年比で初めて0%となりました。これは、ハードウェア企業が販売数を減らしたり、新しい市場を開拓しなかったことが原因ではなく、全世界の成長が停滞しているということです。

中国がモバイル決済で世界をリード

中国でのWeChatのようなオールインワンアプリの人気は、モバイル決済とeコマースの将来を表す事例として良く引き合いに出されます。Meeker氏のレポートのデータはこの点を確かに裏付けており、中国は約5億人のモバイル決済のアクティブユーザーで、世界を牽引しています。10億以上のモバイル加入者がおり、さらなる成長の余地が残されている中国で、今後1年間も興味深い動向が得られることでしょう。

中国が真のテックジャイアントに

米国は数多くのインターネット企業を抱える国としていまだに世界を牽引しているものの、2018年のグローバルトップインターネット企業のトップ20では、そのうちの9社が中国企業となっています。2013年においては、このトップ20ランキングに入りこんだ中国企業はたった2社のみでした。

デジタル広告予算がますますモバイルへシフト

TVや従来の広告フォーマットへの支出が減少し、より多くの予算がモバイルにシフトすることはこれまでに幾度となく立証されてきました。すでにより多くの人々が、スマートフォンをより長く利用するようになってきていることを、皆さま自身で実感されていることでしょう。

おそらく皆さまにとっても、最も興味深いと思われる点は、モバイルの利用時間の急速な増加に対し、現状の割り当て広告費が追い付いておらず、さらに70億ドル程度の広告費を追加で充てる必要があるということです。

eコマースの売上は急増しており、2016年は前年比で14パーセント増、2017年は前年比で16パーセント増となっています。2017年のAmazonの売上シェアはさらに増し、28パーセントとなりました。一方で、実店舗の売上は減少の傾向にあります。