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インフルエンサーが中国市場を狙う企業にとって極めて重要な理由

インフルエンサーマーケティングは、ブランドやアプリ開発会社が消費者に直接訴求するにあたって、最も人気があり効果的な方法のひとつになっています。

インフルエンサーマーケティングは、中国においてとても重要です。しかし、中国のインフルエンサーマーケティングは他の地域と様式や規模が全く異なるということは、あまり知られていません。

中国では、「ソーシャルコマース」が急成長を遂げています。TaobaoやTikTokなどの有名SNSプラットフォームがインフルエンサーと協力して、SNSコンテンツとオンラインショッピングを合体させたようなコンテンツを展開するようになっているのです。

eMarketerによる2020年の予測では、今年ソーシャルコマースには2,424.1億ドル(1.675兆元)が投入される見込みであり、昨年の1,860.4億ドル(1.285兆元)から増加する見通しとなっています。

インフルエンサーによる推薦の33%が売上に直結しています。また、インフルエンサーが推薦すると、店舗での売上は120%増加するのです。


これはインフルエンサーマーケティングですが、慣れ親しんだインフルエンサーマーケティングとは異なります。正しいアプローチを採用すれば、欧米のブランドも中国のインフルエンサーと協力して中国市場に進出し、新たなオーディエンスに訴求することができるようになります。

これらの数字やさらなる詳細情報は、弊社の最新eBook『THE POWER OF INFLUENCER MARKETING IN CHINA』(中国におけるインフルエンサーマーケティング)で紹介しています。こちらをクリックしてダウンロードしてください。

 

KOLのご紹介 – 中国におけるオンライン小売の顔

まずは、「インフルエンサー」という単語を忘れましょう。「インフルエンサー」はどちらかというと欧米発祥の考え方です。中国では、インフルエンサーはKey Opinion Leaderと呼ばれることが多く、しばしば短縮形のKOLが用いられます。

KOLは欧米のインフルエンサーとよく似ています。SNSで多くのフォロワーを誇る人気パーソナリティーで、ファンやフォロワーに製品やサービスの購入を促す手助けをしてくれます。

中国では、KOL業界は極めて大規模で、2020年のライブストリーミングの市場規模は約9,610億元(1,370億米ドル)と見積もられています。これはeコマースの売り上げの4%にものぼります。

NativexのeBookにも記載している通り、中国のインフルエンサー市場規模は、2017年から2022年にかけて年平均成長率42%で成長を続けると見込まれています。

KOLの収入のかなりの部分は広告費です。トップKOLと提携して、若者を中心に訴求しようとしているブランドや代理店が増えているからです。

60%のブランドはKOLマーケティングを重視しています。それによって、KOLマーケティングは中国で最も人気のデジタルマーケティングチャネルになりました。2019年には、KOL広告費は前年比で63%増加しました。それを牽引したのは美容とパーソナルケア、食品と飲料、およびeコマース分野でした。

 

どうしてKOLは中国でそれほど人気なのか?

KOLが中国で人気を博す理由は、欧米でインフルエンサーが人気を博す理由と大部分で重なっています。KOLのフォロワーは、KOLによる推薦を強く信頼し、それを権威あるものとみなしています。そのため、KOLが推薦した製品やサービスにはお金を出してもいいと思っています。またそもそも、KOLはエンターテイナーであり、好感を呼ぶパーソナリティーでもあります。

KOLの人気は、アジアと欧米の間に存在する技術や人口統計上の違いにも関連しています。技術に関しては、中国にいるKOLのフォロワーの方が、欧米にいるインフルエンサーのフォロワーよりも、現時点ではずっと気軽に購入に踏み切ることができる環境となっています。というのも、中国ではライブストリームが大変人気であり、一部のプラットフォームではライブストリーム中にたったひとつボタンをクリックするだけでフォロワーが購入を行えるようになっているのです。

エンターテインメントの達人であるKOLが製品をライブストリームで推薦し、ユーザーはそれを瞬時に購入できるというコンセプトは大当たりし、中国のライブストリーミング市場の売り上げは2019と2020年で倍増以上の成長を見せました

中国の巨大テック企業はここ数年、このシステムをできるだけシームレスなものにしようと精力的に取り組んできました。欧米のテック企業は大きく遅れをとっている状態です。

TikTok、WeChat、Kuaishouなどは、簡単に使える様々なソーシャルコマース機能をユーザーに提供しており、その成功をKOLが支えています。

比較的最近登場したKuaishouは、実際にKOLとソーシャルコマースを利用して成長を加速させ、最も競り合っていたライバルのTikTokを出し抜きました。なんとコンバージョン率がTikTokの最大5倍になっているのです。

 

中国におけるSNSヘビーユーザーの若者市場の興隆

また、技術面以外にも、KOLの成功にはとてもシンプルな理由があります。

ソーシャルコマースに馴染みのある若者が成人を迎え、お金を自由に使えるようになっています。これらの人々は、デジタルネイティブのユーザーであり、デジタル技術を使うことに抵抗がありません。

こうした若者世代は一般的には「Z世代」と呼ばれ、NativexのeBookに記載したデータでは、これらの人々がどれほどKOLと緊密な関係を築いているか、またどれほど小売業界にインパクトをもたらしているのかを明らかにしています。

例えば、Z世代に分類される人々の45.5%は、KOLによる推薦を目にした後に自ら購入を行っています。Y世代においては同様の購入を行ったのは42.5%で、Z世代と近い数字になっていますが、X世代においてはその数字はわずか21.5%です。

その他のデータからも、中国ではZ世代とKOLがいかに緊密な関係性を築いているかがうかがい知れます。Z世代の48%は、買い物をする前にはKOLが何を提案しているかを確認します。KOLの影響は、Z世代の毎月の支出額の4分の1に及んでいるのです。

逆に、KOLのファンベースに目を向けると、54%が生粋のZ世代、あるいは1995年以降生まれが占めています。次いで90年から95年の間に生まれたフォロワー23%とかなりの差があり、第3位は85年から90年の間に生まれたファンで割合は12%となっています。

中国では、未来の買い物の形が現在現実のものとなっており、それを支えているのが若者です。家計支出に占める中国のZ世代の消費者の割合は13%で、BloombergによるとこれはアメリカのZ世代のオーディエンスの4倍を超える数値です。

 

中国のKOLエコノミーにおけるマルチチャネルネットワークの役割

KOLの成功は、一時の成功というわけでもありません。WGSN社によると中国のZ世代の人々の中で、夢の職業を「ライブストリーマー」(あるいは「网红」)としたのは54%を超えています。

また同社の報告書では、中国南西部にある単科大学である重慶工程職業技術学院が地元の企業と提携までしてよりよいライブストリーマーになる方法についての3ヶ月のプログラムを提供していることも取り上げられています。

このように、Z世代がKOLを目指すようになったことで、マルチチャネルネットワーク(MCN)が登場しました。KOLタレントと契約して代理人を務める代理店であり、KOLに通常コミッションベースでビジネス案件を紹介するようになっています。

2015年には、中国には160のMCNがありましたが、その数は2018年までに5,000を超えました。トップからミドルクラスのKOLの大多数は、MCNと提携関係にあります。

MCNは、KOLが新規ビジネス案件を獲得するのを手助けしたり、KOLやその他のサービスをプロモーションしてくれるだけではなく、広告主にとってもプラスの存在です。

MCNに依頼する方が、ブランドや広告主にとっては安上がりになることもあります。MCNなら、中国の大手SNSサービスとトラフィックパッケージ契約を結べる可能性があるからです。しかし一般的に、MCNは限られた数のKOLとしか契約を結んでおらず、価格の標準化も行われていないことから、どのKOLと提携するかで費用も大幅に変化する可能性があります。

そのため、KOLとの提携を考えている広告主にとっては、リーズナブルな価格で大規模に多数のKOLにアプローチすることが難しくなる可能性があります。この問題を解決するために、Nativexは20を超えるMCNと提携したり、40,000人を超える個人のKOLと直接関係を築きました。これによって、独立系代理店であるNativexは、広告主様にバイアスなくタレントを紹介できるのです。

 

欧米のブランドやパブリッシャーはどうすれば完璧なKOLと提携できるか

ご紹介した通り、適切なKOLと提携できれば、目を見張るリターンが得られる可能性があります。

それは、単に金銭的なリターンにとどまりません。ブランドやアプリを中国の若年層へ適切に提示することで、長期的なブランドの認知度の確保に繋がり、ブランドが新たな文化に浸透する助けになるのです。

ラグジュアリーブランドは現にそれを行い、大きな成果をあげています。中国のZ世代市場は2025年までにラグジュアリーブランド市場の55%以上を占めるようになるとBainは報告しており、Prada、Louis Vuitton、およびBurberryをはじめとした多くの有名ブランドがKOLマーケティングに投資を行っています。

しかし、Pradaのような規模の予算を持たず、また中国市場での経験値もないブランドにとっては、そのハードルはぐんと上がってしまうかもしれません。

数千ものMCNがあり、無数のKOLから選ばなければならない状態で、見知らぬ外国市場での舵取りを要求され、また言語や文化についても学ばなければならず、規制にも従わなければならないとなると、驚くほどの利益が見込めるこの新市場に欧米のブランドが進出することは極めて困難になるかもしれません。

Nativexなら、そのお悩みを解決できます。Nativexは20以上の中国国内のトップMCNと提携しており、40,000人以上のKOLと協力して欧米ブランドの魅力を中国のオーディエンスに紹介しています。

パフォーマンス重視の広告代理店として、NativexではKOLへの投資を目に見える測定可能な結果につなげます。

NativexはTikTokとBiliBiliの中核代理店であり、またWeibo、Kuaishou、Red、およびTaobaoの戦略パートナーとなっています。さらに弊社は、ゲーム、eコマース、FMCG、日用品、アプリなど、様々な業種の2,000を超えるグローバルな広告主様から信頼をいただいています。

 

事例:中国の「口紅王」の力で売り上げとブランドの評判を向上

Nativexは、中国の「口紅王」として知られるKOLのLi Jiaqiと提携し、日本の有名なパーソナルケア企業のスキンケアセットをプロモーションしました。

Austin Liとしても知られている口紅王はギネス世界記録保持者でもあり、美容製品業界ではナンバーワンのKOLといっても過言ではありません。

Liはこれまで、Alibabaが独身の日に1日で1.45億ドル売り上げるのを手助けし、Taobaoでは5分で15,000本の口紅を売り上げるのを助け、またJinzi Hamが100,000個の製品を5分で売るのを手助けし、同社の市場価値を2日で1億ドル以上押し上げました。

27歳のLiは今やミリオネアで、2019年にはHurunの中国の注目すべき30歳未満リストに名を連ねました。

LiがなぜKOLとして魅力的なのかはすぐにわかります。有名になる前、彼は中国の第2級都市である南昌のL’Oréalでショップアシスタントとして接客をしていた経験を持つため、オーディエンスにとって自分と重ね合わせられる存在なのです

Liの性格は大胆で、買う価値なしと判断した製品は容赦なく批判する姿勢(それにChanelなどのラグジュアリーブランドであっても批判を緩めない姿勢)は、何百万人もの人々の共感を集め、ブランドもLiの影響力に注目しています。

Liは中国のどの美容系KOLとも異なる美容系KOLであり、TikTokでは4,000万を超えるファン、Weiboでは1,700万を超えるファンを誇っています。NativexはLiと提携することで、クライアントが巨大なオーディエンスにアプローチする手助けをしました。Liは618 Shopping Festival期間中のライブストリーミングで製品を開封し、その主要な特徴をファンに向けて3分30秒説明しました。

また、Liが製品を紹介する短いバージョンの動画も複数撮影し、Dragon Boat Festival期間中にプロモーションを行いました。動画には、製品の主要な特徴、受賞歴、ブランドの公式Weiboページのクロスプロモーションコンテンツを盛り込みました。

Douyin、RED、Kuaishou、Weitao、およびWeishiなど、主要SNSプラットフォームのLiのアカウントでも、製品の紹介を行いました。

このキャンペーンの結果は目を見張るものでした。Liとの提携によって、ブランド動画は中国の7つの主要プラットフォームで2,000万回を超える再生回数に達し、120,000回を超えるエンゲージメントを呼び込み、ブランドの認知度と売上の向上につながりました。

中国における成長とブランディング戦略の一環として、適切なKOLと提携することをお考えの方はNativexチームにお問い合わせください。

Dini Lin
KOL Marketing Strategist

DiniはNativexのKOL Marketing Strategistです。マーケティングとジャーナリズムの分野で6年を超える経験があり、世界中のブランドや広告主のためにいかに革新的なKOLマーケティング戦略を生み出して成功につなげることができるかを深く理解しています。Nativexに参画する前は、Fortune 500企業にて、Tencent、NetEase、ByteDance、Sinaなどの巨大テック企業や、CCTVや新華社などの中国のトップメディアとの連携に従事してきました。