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広告主がAmazon Advertisingを利用すべき理由

モバイル広告事業に新たな有力候補が登場しました。Amazonの広告部門が、企業やその他の多様なセクターから急速に支持されるようになっています。

The Drumによれば、Amazonの広告収入は、2018年第2四半期において前年比132%の伸び率を見せており、22億ドルを超える成果を達成しています。同社は現在Amazon Advertisingの主導で3つの主力広告サービスの再構築を行っており、来年に広告サービスを強力にプッシュするための準備を進めていることは間違いなさそうです。

しかしながら、Amazon Advertisingは一体どのようなサービスを提供しているのでしょうか。同サービスの利用によりどんな潜在的メリットを得られるのでしょうか。また、今後数年間にどのように進化していくのでしょうか。今回はAmazon Advertisingを詳しく掘り下げ、こうした疑問にお答えしつつ、他にもたくさんの情報をお届けします。

Amazon Advertisingとは?

Amazon Advertisingは、今までAmazon Media Group、Amazon Marketing Service、Amazon Advertising Platformとして機能していた3つの広告サービスを新たに統合したサービスです。

新サービスでは、既存のサービスを生かしつつ、 プログラマティック広告、スポンサー広告、カスタム広告サービスを1か所に集約したことで、バイイングの手間がよりかからなくなっています。

Amazonが提供する広告サービス

Amazonの広告ポータルには5つの主力広告商品が掲載されています。

スポンサー広告では、複数の検索条件でスポンサー(広告主)の製品がAmazonの検索結果の上位に表示されるようになります。つまり、携帯電話やPCでユーザーがアマゾンサイトでキーワード検索をかけた際に、真っ先にスポンサーの製品を目にするようになるということです(例えば、出品物のスポンサーであるメーカーが製造したカメラなど)。

商品ディスプレイ広告では、Amazonの広告スペースとAmazonの広告ネットワーク(IMDBなど)のサイトに広告を表示できます。 シンプルなバナーから全画面型広告に至るまで、多様なフォーマットの利用が可能です。

動画広告は、デスクトップとモバイルの両方に対応しており、Amazonのページの一番下または一番上に広告を表示できます。

さらにAmazonは、同社とのより深い直接的な接続を前提とした2つのサービスを提供しています。

– Amazonは自社DSPを備えており、広告主はAmazon、Amazonのネットワーク、関連サードパーティーでプログラマティックにトラフィックを購入することができます。

– 同社は「ストア」と呼ばれるベンダー向けにオーダーメードのサービスも提供しています。このサービスでは最適化したカスタムサイトを作成することができ、自社のブランディングを維持しながら、Amazonで商品の販売を行うことが可能になります。

Amazonに広告を出稿するメリット

Amazonに広告を出稿する最大のメリットは、同社のエコシステム全体がAmazonの巨大なeコマースビジネスに結びついているという点です。

Amazonで販売を行い、同社の1770億ドルもの収益に貢献するあらゆる企業が、プラットフォーム内での広告出稿により恩恵を授かることができるでしょう。ユーザーオーガニック検索で商品を探している際に、十分なレビュー数や高い評価がついたアイテムがスポンサープロダクトに表示される場合などが特にそうです。

それ以外にも数々のメリットがあります。たとえば、Amazonの広告ユニットの多くは、同社のあらゆるデバイスやサービスのエコシステム内で表示されます。これにはFire TVKindleAmazon Fireタブレットなど含まれており、広告主は多様なデバイス環境でユーザーにリーチすることができます。

さらに、Amazonの幅広い自社サイトのネットワークにより、ディスプレイ広告キャンペーンを行う広告主は十分なリーチが得られます。また、あらゆる広告ユニットをPCやモバイルディスプレイ向けに容易に最適化することができます。こうしたことから、Amazonでのディスプレイ広告キャンペーンは大きな成功を得られる可能性が高いといえるでしょう。

Amazonでの広告出稿における課題

Amazonに広告を出稿する上での大きな課題は、収益を得るために同社のエコシステムとつながらなければならないということです。もしAmazonやAmazonのサービス内で自社製品を売ることができなければ、他で広告を出稿するしかありません。これはモバイルアプリなどの、モバイルエコノミーで機能する領域に特に当てはまります。

次に、Amazonがオファーする仕組みの利用がやや困難であるという点です。同社のストア機能またはDSPを利用する際には、最初にAmazonのコンサルタントと直接連絡を取らなければならず、参入障壁がより高くなっています。

最後に、何点もの広告デザインを提出しなければならないことから、Amazonでの広告キャンペーンの設定は複雑になりがちであるという点です。広告が多数のコンテキストで表示されるということは、デザイナーがより多くのセットアップ作業を行わなければならないということです。つまり、デザイナーはキャンペーンの作成により多くの時間を充てなければなりません。

Amazonに広告を出稿するための手順

まず、適切な広告オプションを利用するために、ビジネス用のAmazonアカウントを作成する必要があります。また、当然のことですが、ストア機能を利用したい場合は、ベンダーになっていることも確認しておきましょう。

アカウント設定を済ませたら、次にAmazon Advertisingのページにアクセスし、 サインインします。スポンサー広告や他のシンプルな広告キャンペーン実施する場合は、地域を選択し、利用可能なキャンペーンの種類を確認したうえで、すぐにキャンペーンを開始することができます。

一方、DSPなどを利用する場合は、上記サイトから、Amazonチームの担当者と直接コンタクトを取り、詳細を得る必要があります。

Amazon Advertisingのこれから

まず第一に、Amazonは自社サイトを通じたオファーをより向上させていくことでしょう。DSPを一般市場に開放するだけでなく、動画広告配信をパートナーネットワーク全体に拡大していくことが予想されます。

しかしながら、Amazon Advertisingの魅力は、同社のeコマースのプラットフォーム以外のプラットフォームにおいてもサービスを展開できる可能性があるということです。たとえば、Amazonプライム・ビデオのプレ/ミドル/ポストロールに動画広告を挿入し、より自然なエンゲージメントの機会を提供できるようになるかもしれません。

急速な拡大を続けるAlexa搭載デバイスのネットワークを活用したオーディオ広告についても多くの噂が飛び交っています。将来的にはポッドキャストを介して、「Alexaに今すぐこの商品の注文を依頼する」といった風に、コールトゥアクションを促す広告を流すことができるようになるかもしれません。

また、新たなサードパーティーとの連携により、今までにない広告サービスを利用できるようになっていくでしょう。米AmazonはSnapchatと連携し、ユーザーが携帯電話で欲しいアイテムを撮影すると、Amazonの商品ページで詳細が確認でき、注文が行えるという、AR(拡張機能)を活用した画像認識によるショッピングサービスを展開しています。こうしたことにより、さらなる付加価値を提供することができるようになるでしょう。

まとめ

Amazonのプラットフォームで商品を販売するすべての人にとって、Amazonへの広告出稿は非常に興味深い機会となるに違いありません。Amazonの自社デバイスやサービスに幅広く展開できるモバイルやPC向けの広告は、広告主に新たなエンゲージメントの構築の場を提供してくれることでしょう。さらには、オーダーメードのサービスや今までにない魅力的な広告フォーマットの導入により、Amazonは従来のモバイル広告のしきたりを打ち破る存在となるかもしれません。