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インディーゲーム開発者がおさえるべき5大イベント

インディーゲームの開発者として活躍することは容易ではありません。インディーゲーム開発者は、多くの場合において、プロトタイプを開発することで道を切り開き、契約に漕ぎつけねばなりません。また取引を成立させるために、多くのネットワーキングイベントや、手間と時間のかかる電話会議やミーティングをこなしていかねばならないでしょう。

予算がタイトな状況において、ゲームイベントに投資をおこなうことは、まるでギャンブルのように思えたりすることもあるでしょう。しかしながら、優良なイベントに参加することで、現状を打破し、新たなステージへ上がるきっかけを得られるかもしれません。イベントを通じて、魅力的な広告クリエイティブを制作してくれるインフルエンサーに出会ったり、ネットワーキングパーティーでパブリッシャーに出会い、あなたのスタジオが二人体制のスタートアップから、数百万ドル規模の大企業に成長するといったことが現実的に起こりうるのです。

そこで今回は、モバイルゲーム業界で存在感を増しているインディーゲーム開発者がマストでおさえるべき、5つのイベントをご紹介します。

Pocket Gamer Connects

Pocket Gamer ConnectsPGC)は、グローバルモバイルゲームカンファレンスとも称される、欧米諸国で最大規模を誇るB2B向けモバイルゲームショーです。2017年には50ヵ国以上、9000人超の参加者があり、1000万ドルを超える規模の取引がおこなわれました。

このイベントに参加するインディーゲーム開発者は、こうした利益に多少なりともあずかることができることができるでしょう。仮にそうでなくとも、非常に有益なインディーサバイバルガイドに参加できます。このワークショップは、ゲーム制作のプロセスを掘り下げ、クリエイティビティから、プロダクション、サステナビリティにいたるまでの、あらゆる要素を網羅しています。そして参加者に、リリースを狙うゲームと、数十億ドル規模のゲームを生み出すビジネスモデルを結びつける上での、さまざまな知見を授けてくれます。

インディーゲーム開発者は、「Big Indie Zone」と呼ばれる、ゲーム展示エリアを手頃な料金で利用することができます。また、「Very Big Indie Pitch」に参加することで、大手のメディアインフルエンサーやパブリッシャーパートナー候補に作品を売り込むことができ、さらに優勝を勝ち取った開発者には7000ドル相当の商品パッケージが贈呈されます。

Nordic Game Conference

Nordic Game Conferenceは、ヨーロッパの北欧やその他の地域からプロフェッショナルが集うカンファレンスで、数日間にわたって講演やワークショップがおこなわれ、多数のネットワーキングの機会が提供される一大イベントとなっています。

特に注目すべきは、カンファレンスのオフィシャルオープニングの前夜に開催される、Copenhagen Game Collective 主催のNordic Game Indie Nightです。このイベントでは、インディーゲーム開発者を対象としたアワードの発表や、新作タイトルの披露、講演などがおこなわれます。参加費は無料となっているため、ネットワーキングの構築を狙うインディーゲーム開発者にとって、費用対効果の高い絶好のチャンスとなるでしょう。

また、Nordic Gameは、2016年からNordic Game Discovery Contestを開始しています。これは、優れたインディーゲームプロジェクトの発掘を目的として、ヨーロッパの各国でおこなわれているライブ配信型のピッチイベントです。コンテスト参加者は、一流のインフルエンサー、パブリッシャー、ジャーナリストを相手にステージ上で作品の魅力をアピールし、他の参加者と競い合います。今年は、オーストリア、ポルトガル、ローマ、南アフリカ、スイスなどで開催され、インディーゲーム開発者が直接プロフェッショナルたちに作品を売り込むことのできる、またとない機会となっています。

Game Developers Conference

米国のサンフランシスコで毎年開催されるGame Developers ConferenceGDC)は、高額な参加費ながら、あらゆる開発者にとって、最も重要なイベントであることは間違いないでしょう。GDCは世界最大規模のゲーム開発者向けカンファレンスであり、2018年には過去最多となる28000人もの参加者を集めました。

GDCの会場で開かれるIndependent Games Summitと、Independent Games Festivalは、インディーゲーム開発者向けのイベントです。過去・現在のIndependent Games Festivalのファイナリストおよび優勝者や、一線で活躍する開発者が世界中から集まり、レクチャーや感想戦、座談会などを行い成功の秘訣をシェアします。

毎年、パブリッシャー、インフルエンサー、ジャーナリスト、その他大勢のゲーム業界関係者がサンフランシスコに集うGDCは、適切なタイミングで適切な人々に作品を売り込む千載一遇のチャンスが得られる場です。Indie Megaboothでは作品展示スペースが手頃な価格で提供されており、夜にはパブリッシャーが魅力的なネットワーキングイベントを開催しています。インディーゲーム開発者を大成功に至らしめる可能性が、あらゆるところに潜んでいるかもしれません。

London Games Festival

The London Games Festival LGF)は、インディーゲーム開発者にとって絶好の売り出しの機会となるでしょう。LGFはイギリスのロンドンで毎年4月に開催され、期間中はさまざまなニーズに応じたイベントが数多く実施されます。

LGFの目玉の一つが、EGX Rezzedと呼ばれる、インディーゲームにフォーカスしたショーケースイベントです。Tabacco Dockで週末にかけて開催されるEGX Rezzedは、インディーゲーム開発者がコンシューマーに作品を披露するための最適な場所の一つです。

また、LGFではGames Finance Marketという、ゲーム開発者にとって非常に重要な意味を持つイベントが開催されます。

EGX Rezzedのオープニングに先駆け2日間にわたって開催されるGames Finance Marketは、60のゲーム会社と60人の投資家が参加する、ゲーム業界最大規模のミーティングスポットであり、開発者が、投資家やパブリッシャーとスピーディーな商談をおこなうことが可能となっています。昨年は、50以上のプロジェクトがGames Finance Marketに参加し、2000万ポンド相当の投資取引が行われたことから、今後も参加する価値は高いといえるでしょう。LGFでは、その他にも、豪華できらびやかなBAFTA Games Awardsから、Somerset Houseでおこなわれる実験的なゲームショーNow Play Thisなど、魅力的なイベントが多数開催されています。

Gamescom

ドイツのケルンで開催されるGamescom(ゲームズコム)は、ヨーロッパ最大規模を誇るゲーム見本市であり、約37万人の来場者や世界中の5000人を超えるジャーナリストに向けて、56ヵ国以上1000を超える出展者が作品を披露する、世界有数のB2BおよびB2Cイベントです。Gamescomでは、The Indie Arena Boothと呼ばれる世界最大規模のインディーゲーム展示スペースが特設されています。

こうしたGamescomのスケール感にハードルの高さを感じるインディーゲーム開発者も少なくはないでしょう。しかしながら、8月に開催される、この一大ゲーム見本市で作品を披露することは、他のイベント以上にメリットがあるといえます。まずは、参加費が比較的安価でビジネスパスが100ユーロ以下であること、また、ケルンや、ケルンに比較的近いデュッセルドルフの宿泊施設や航空券が、比較的ギリギリのタイミングであっても、かなり安値でおさえることができるという経済的利点があります。次に、専用の商談スペースが展示フロアに設けられているということがメリットとして挙げられます。一般来場者で混み合う展示スペースとは別に、出展者専用エリアや業界団体用パビリオンスペース、バーやコーヒーショップなど、豊富なミーティングスペースが設けられています。

最後に挙げるメリットは、非常に多くの人が参加するイベントであることから、理想的な商談相手に出会える確率が高いということでしょう。事前に計画を立て、早い段階でプレゼンスをアピールし、専用システム(ないしeメール)で予約することで、より確実に投資家やパブリッシャー、その他のパートナー候補とのミーティングを取り付けることができるでしょう。

総括

優良なパブリッシャーと出会うためには、まず第一に、適切な環境で活動をおこなうことが肝心です。その上で、イベントを最大限に活用していきましょう。インディーゲーム開発者は、事前にイベントの参加者を入念に調べ、ミーティングの段取りを組みましょう。イベントの参加中も、ネットワーキングの機会を逃さないように、常にアンテナを張り、予期せぬ変更にも柔軟に対処できるようにしましょう。そして、ゲーム業界の中心を心行くまで楽しみましょう。そこには素晴らしいサプライズが待ち受けているかもしれません。