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FacebookインスタントゲームはApp Storeの代わりとなりうるか

今年の頭にFacebookはインスタントゲームのプラットフォーム(Facebookやメッセンジャーおよびモバイル上で動作するHTML5ベースのゲーム)を、すべてのゲーム開発者に向けて開放すると発表しました。インスタントゲームは、今を2年前にさかのぼるローンチ時にはZynga、King、Konamiといった、限られたトップ開発者にしか開発が許可されていませんでした。

IAPとゲーム内広告によるマネタイズによって、Facebookはモバイルゲームのパブリッシャーにとって(app storeの代わりとまではいかないとしても)、おあつらえ向きの環境となったようです。

2016年のローンチ後、Facebookチームは明らかにインスタントゲームにはフォーカスしていませんでした。しかしながら、今年に入ってからは3月に広告へのAPI導入するなど、いくつかの発表を行っており、風向きが変わったように見受けられます。

プラットフォームを利用する開発者は、FacebookのMonetization Manager(収益化マネージャ)で、広告を通して、ゲームがどの程度のマネタイズに成功しているかを詳細に把握することができます。 また、Game Switch APIを追加することで、ディープリンクを使用してFacebook外のチャネルとゲームをクロスプロモーションでき、消費者をインスタントゲームのダウンロードページに直接誘導することが可能となっています。

GDC 2018において、Facebookは、現在200本程度のゲームがサービスを利用していることを明らかにしましたが、インストール数や収益の詳細までは共有されませんでした。それにもかかわらず、驚異的なリーチと人気を集めるインスタントゲームのパフォーマンスに、多くの開発者やパブリッシャーが注目しています。

トップモバイルゲームの大半がIAPと広告の併用で収益を出しているため、IAPの導入は避けて通れない道です。 したがって、両者の実装が可能となったFacebookは、既にIAP要素を中心にビルドしたゲームをリリースしている企業にとって、よりアクセスしやすいプラットフォームとなっています。 こうしたことにより何千ものタイトルがインスタントゲームに参入するための手はずが整っているのです。

唯一の大きなマイナス要因は、Facebookがオファーしているレベニューシェア(利益分配)にあります。PC版のインスタントゲームの場合、開発者またはパブリッシャーは標準額として収益の70%の分配を受けられるようになっています。

しかしながら、Android端末でのゲーム課金においては、Googleが30%を差し引き、Facebookが残った70パーセントから、さらに30パーセントを差し引くため、ゲーム会社のIPA収益の取り分は実質50%以下となります。

しかし、20億人以上のアクティブユーザーがオーディエンスとして存在し、膨大な数の消費者にリーチできることから、収益目標達成以上の価値があるといえます。

興味深いことに、インスタントゲームがAppleのデバイスで利用できるようになるかどうかに関しては、何も言及がありませんでした。Appleが現状のレベニューシェアモデルを変更したくないということか、あるいは、Facebookは今後数か月の間に新たな大発表を行うつもりなのかもしれません。

Facebookは開発者やパブリッシャー向けに、IAPがインスタントゲームでどのように機能するかをより仔細にまとめた情報をこちらに掲載しています。